PRP(多血小板血漿)療法とは
PRP療法は非常に安全性の高い治療法です。
PRP療法は、患者様自身の血液から、組織の再生に効果的な成長因子を凝縮した血漿を抽出して、痛みのある関節などの体の傷んだ部分に直接注射する治療法のことです。
PRP(多血小板血漿)は成長因子をたくさん含んでいるので、注射した部分の治癒が促進されたり、痛みが軽減される効果を期待できます。
これまでは、薬物療法やリハビリ加療、ヒアルロン酸注入において効果が得られない場合は、手術を考慮する必要がありましたが、近年、スポーツ選手のケガや関節の痛みの治療としてPRPが利用されるなど、選択肢を増やしてくれる治療法として注目されています。
欧米では、自分自身の治癒能力をサポートする治療法としてPRP治療が頻繁に行われています。
PRP療法の適応疾患
以下の方が適応となります。
- 膝が悪く生活に支障をきたしている方
- 消炎鎮痛剤、湿布、ヒアルロン酸注射、リハビリテーションなどの治療を行っている方
- スポーツに早期復帰したい方
- 再生医療を試してみたい方
- 膝に疾患があるが手術に踏み切れない方
なお、高齢であってもからだへの負担が少ない治療法ですので治療を受けることが可能ですが、膝の変形が重症な方(関節の隙間が無くなっている方)や、肥満の方ではPRP療法の効果が低下します。
その他疾患への適応は、医師にご確認ください。
また、以下の方はPRP治療を行うことができません。
- がんの治療中の方
- 感染症がある方、発熱のある方
- 妊娠の可能性のある方
- 心臓病・脳梗塞の既往のある方
- 薬剤過敏症のある方
- 免疫抑制剤を内服中の方
- 血液が固まりにくくなる薬を内服されている方
- 癌、リウマチ、自己免疫疾患で投与を受けている方、等
- 過去1ヵ月以内にPRP治療を受けたことがある方
PRP療法の費用
PRP療法は、現在のところ保険診療としては認められておらず、自由診療にて下記の費用が必要です。
膝関節に対するPRP療法費用(計3回) | 計220,000円 |
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筋関節に対するPRP療法費用(計3回) | 計100,000円 |
腱関節に対するPRP療法費用(計3回) | 計100,000円 |
靭帯関節に対するPRP療法費用(計3回) | 計100,000円 |
上記以外の通常の診察および検査・処方等に関しましては、別途費用がかかります。
治療の流れ
治療の流れは以下の通りです。
1)採血
ご自身の血液を約50mL×2本の計100mL採血します。
2)加工
厚生省認可の細胞加工施設にてPRPを作製します。(保存期間6か月)
3)注入
患部にPRPを注入します。(3週おきに3回実施)注入後、リハビリ実施(費用内)
リハビリテーションはPRP療法のセット料金に含まれますので、別途料金は発生しません。
リハビリ時間 | 20分間 |
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リハビリスケジュール | 投与後1週間後から可能 週に1回まで、計6回まで |
リハビリ中止 | PRP注入から1か月を超えた場合 |
治療効果について
治療効果は個人差がありますが、治療後1~3週間程度で効果が表れます。
PRP治療は、自分自身の治癒能力を引き出す治療法なので従来の痛み止めの内服などで症状が良くならなかった患者様でも効果を期待できます。
ヒアルロン酸の場合は効果が短期的であり、長期間は続きませんが、PRP治療は、1回の治療で6~12ヵ月間は効果が持続するといわれています。
注意事項について
- 採血の4時間前より食事をしないで下さい。(水やお茶の摂取は問題ありません)
- 採血の前日から油分の多い食事をしないで下さい。
- 治療当日は激しい運動や飲酒など、治療部位へ過度に刺激を与える行為は控えて下さい。
- 投与後、数日間は血流の良くなる活動(長時間の入浴、サウナ、運動、飲酒など)を行うことで、治療に伴う痛みが強くなる場合があります。
- 投与後にあまり安静にし過ぎると、治療部位が硬化し痛みの原因となります。
- PRPの保管期限は6ヶ月で、期間を超えたら廃棄となります。
- 治療の効果や効果の持続時間は個人差があります。